ウソ日記

ない。ある。

2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ボディタッチ

ボディタッチが円滑なコミュニケーションの仲立ちをすることは現在どのビジネスマニュアルにもしつこく書いてあることなのでまあ別にいいんですけれど、それでもさすがに、声をかけるわけでもなく後ろから黙ってわき腹の贅肉をモニョモニョと揉みつづける男…

料理

「ふーん、あなたが料理を作るんだ。」「たまには作らせてみろよ。」「あなたの料理は食べられたものじゃないからなあ。」「そうか?」「前あなたが鶏の唐揚げ作ってくれたことあったでしょ?」「・・・ああ、3年くらい前だっけ。」「アツアツで香ばしくてジュ…

昨日機

コノリさんは淋しくって淋しくって仕方がなかったのでした。だからコノリさんはあんなものを作ってしまったのでした。明日と昨日は取替えが利くのです。さて、愛したり愛されたりすることから少しの間はなれていたコノリさんでしたが、そのほんの少しの間に…

なんとか

なんとかしよう。

夏の影

国語と算数を教えたかった科学と歴史を教えたかった白いロウソク、靴下、花火夏が来た蜂の巣を落として蜂がワッと騒いで逃げる人間玄関に咲いた松葉草を踏まないようにしてくださいそこに立たないでください影が落ちるのですこちらに、影が落ちてくるのです…

よさげさ

「そんなによさげだったのかなあ。」 と、コノリさんは思うわけです。そんなによさげだったのかなあ、と。この本に書かれている程に、あの頃の私達二人の生きていた姿って。

サフラン

傲慢なほどにジェットの香りをさせていたのは、カウンターの隅にひっそりと座っていたはずのポールだった。

大叔母

午後から来る予定だった大叔母が、「捕まえに行くのよ。」とだけ電話の先で理由を言って、インドに行ってしまった。叔母の61回目の誕生日を祝う席を準備していた私達は、急に出来た空白の午後に戸惑った。「どうしようか、これ。盛り付ける?」「盛り付け…

いろいろな、でしょうか。

間に合わない、と焦ることが間に合わなさを加速するのはよくあることです。いわゆる運動量保存の法則ですね。そういえば3、4、5月に見た夢は、どれもこれも「劇の練習が全然間に合わなくって本番だぜお客さん!!」パターンばかりでした。それぞれに配役…

四月詠

イーゴイーゴの繭飼いがベネチア草を食ませるとき、ブユネッケルから来たのはマハリマンだった。棗をウォッカで食べられるように保存しておいた。今日は四月の祭りだ。永帝の年間に呂城で客死した王顛明を偲ぶ祭りだ。彼は一時このペヨケルに逗留していた。 …

国道23号線

口裂けジジイが現れて、国道23号線を東に走っていった。ついてこいと言っている様なので、ついていった。国道23号線は北高崎から護野までの全長486kmのルートで峠が多い。僕の原付ではいくらか能力的に厳しい起伏のある道だ。 200kmほどついて…

カタカナ

カタカナにされた単語というのはもちろん揶揄られているわけです。「ウヨク」だとか「サヨク」だとか。または「ブンガク」だとか「ゲイジュツ」だとか。最近だと、「ウツ」や「ニューヨーク」なんかもそうですね。「アメリカ」なんて例もありました。

フフホト

滝田君が言った。「フフホト?」「そう、フフホト。」「あー、フフホトねー。」 と、適当な相槌を打っておいた。そうしたらいきなり喋りだしたのである。怒涛の如くに。滝田君がこんなふうに喋るのを、実は私は今まで一度も見たことが無かった。中学の頃からの…

文庫の

本をお守りのように身に付けてます。肌身離さず、胸ポケットか内ポケットに文庫本を一冊入れて仕事をしています。その一冊は読み終えると次の一冊と交換します。「見栄と意地」、というやつですが、まあ、不健全ではありますね。

冷蔵庫

冷蔵庫の中に、甘いものをしっかり溜め込みました。とろーり生クリームのマンゴープリンにしっかり焦げ目の焼きプリン、豆乳花にパンナコッタ。エクレア、生シュー、羊羹、いちご大福。周富徳厳選材料の赤い桃花の杏仁豆腐。ワラビ餅、甘納豆、ショートケー…

いいんだよ

オーマで。

無垢じゃんか、それじゃ。

オームと言いたい?違うような気もするけど。

オーマ

カルト的な言葉…。

好き

その、冷静を装いたい眉毛の描き方とか、好きですよ? あと、後ろのカップル、男の方。「自由を与えている」 とか言うな。 相方はまあスルーしているしているけど、そういう台詞は即刺される事を覚悟して発する台詞だと思います。そういう感じの台詞はまあ自…

コンビニコント

うっかりしていて、ついさっきコンビニで絡まれました。「外出るか?」とか実際に口にする方々っているんだなあ、と、おかしさと苛立ちがふつふつと湧いてきました。しかしそこでせせら笑ったりなんかしてしまうと、それこそ、脅しなんだか説教なんだかよく…

強盗と医者

「はい、次の患者さんどうぞー、・・・なんだね君は?」「ここで問題です。何故彼はこの患者に対し、「なんだね君は」と言ったのでしょう? 答えは3択。」「この患者、というか君に言っているのだがね・・・。」「1、モモイロペリカン 2、ジャイアントパンダ…

適当な日々には適当な夏を

夏の匂いをひとつ挙げろと言われれば、個人的には学校の水泳の水着の匂いなのですが、要するにそれは今現在の生活に当てはめると洗ってから洗濯機の中に一日おいてある服の匂いと同義であり、つまり部屋干しの匂いはこれで消臭OK洗剤のCMであっさり雲散…

いいました

「明日はダメでしょう。」 三月さんが言いました。「大根だと思ったら違っていたので困りました。大根の様に白くて長かったのです。」 根岸さんが言いました。「お祭りの歌を見つけました。」 コイさんが言いました。 勇気を出して言ってみました。「君達みん…

日曜日

サイゼリアのドリンクバーで粘った訳です。久しぶりにそうやって本を読み倒す時間を過ごしました。家だとなぜか集中力が持続しなくて。ついでに紙に落描いてみました。それがあれ。 どうも今日が昨日の続きであるとはにわかに信じがたいところですが、汗が肌…

アリゾナシップラップ

シップラップ氏には二人の息子がいた。シップラップ氏の二人の息子はトマスとアレンといった。シップラップの緑の獣は肌から銀や金の粉を大気にばら撒く。 五月のアリゾナ、オカフォーは、長ぐつウサギたちのレースでにぎわう。18世紀にイギリスから持ち込…

どこかへ

「どこかへ行っちゃったまま、帰ってきたくないなあ。」 トシ子さんは呟きました。五月の晴れた日のことです。雲がひとつもない、青い青い空の日です。トシ子さんは右手で左手をつかんでぎゅっと伸びをしました。屋根の黒い瓦はそろそろ素足では厳しい温度に…