ウソ日記

ない。ある。

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉飴

トンボ玉飴を舐めるように、言葉を口で転がすのです。そんな言葉群を誰でも持っているものです。

子供の日

一歳半の子供を泣かした。その弱さに一瞬殺意しか憶えなかった。頭を手でぎゅっとつかんだらクシャと潰れてしまいそうで、困った。もう少し反応が早い人、つまり、自分が、脳と動きがちゃんと同期している人だったら、やってしまっていただろうと思えた。や…

なんかこう、海モノの小説でよくある状態。

「眠たいのはいいことだよ、ハリス。」「そうかな・・・。」「眠れるときに眠っといた方がいい。」「そうだけど。・・・あっちが北で、こっちが南なんだよね。」「ああ。黄道がこう走ってるからな。火星で、土星と木星だ。」「あっちに1000kmだっけ?…

今日は

今日は、アコーディオンカーテンの練習がありました。 ・・・と宿題日記の書き出し方を了としてしまえればそれはそれで幸せなのですが、ついもう少し適当な言い方はないかと思ってしまうのです。適当の、二通りの意味で。さて、可笑しなことというのを言えな…

ウソ

カート・ヴォネガット・Jr先生がきれいに看過してみせたタバコを吸う理由。「体裁良く自殺して見せるためだ。」同じことが酒にも言える。「体裁よく死んで見せるためだ。」泥酔者は黄泉の国の人間だ。言葉は現を生きる人間には届かない。しかし死んでみせ…

離れ

ダメですよまだ起き上がっては。暗いのが怖いんでしょう?寝ていた。曾祖母の尿の匂いがする。天井裏で騒いでいる。私は、貝を切って供える。トマトを食べたいと、そう聞いたのだ。母には告げなかったのだ。

匂い

名古屋港では海の匂いなどしないのですが、それはやはり腐るものが無いということなのでありましょう。素敵なことじゃないですか。

ロンダリー、一度は永遠に

サクラエビが、内海の岸辺にたどり着いた。彼は今年で19になる。6対の副足を巧みに使って葦をかき分ける。船を舫うのに使う綱は、ハシボソガラスの遺した服を裂いて綯った物だ。ハシボソガラスは一昨日死んだ。ナマコバエにやられたのだ。彼は幼生の時、…

頭足類

当サイトの半分はもちろん優しさでできているのですが、残りの半分はパクリと剽窃でできています。穏便な言い方では影響だとかオマージュだとか。そんなことはどうでもいいんですが。「イカの揚げたのとタコの揚げたのでは、雲泥の差があるね。」「そうか? …

おはなし

「おはなし、聞かせて。」 ぽつりと呟いた。雨とクリームソーダの似ている具合がそんな気分にさせた。大介は窓の外のトタン屋根の上で踊っている。いや、踊っているというか、とにかく、身体をいろいろに動かしている。エビハサボテンの大介は、とにかくいろ…

ナマズ

足を浸しているのはMC4500の廃液で、オレンジと黒の混合物だ。僕は母の13回忌で、11年ぶりにこの街にやってきた。塩基系システマーの活動が盛んなチャンタオでは、大量のガラス系溶剤が使われ、廃棄される。そのすべては表向きはちゃんと処理され無害化され…

潮の香りの半分は生臭さと腐敗臭なのだけれど、もう半分は何なんだろう。 塩の匂い?

うちなーぐち

ひとまとめにして蔑視の対象となりやすいうちなーぐちですが、うちなーぐちにもいろいろな種類があるのです。たとえば、うちなーのほぼ中央に位置する古い湖の周辺では格助詞が二連漸近変化の後、重合して能動形を作りますし、その東部の山岳地帯ではバム=…

山野

「えーと、大豆と納豆?」「豆腐はな。じゃあ乞食とピテカントロプスは?」「佐々木さん?」「いや、望月さん。」「そうかー。」「もう少し頑張れよ。」「いや、俺こういうの苦手なんだよ。」「ぜってー出るから。山野の性格ならさ。」「山野ひねくれすぎな…

食べ物

魚を釣りにいった。魚が釣れた。稲を刈りにいった。稲が刈れた。今日のご飯を自分で作りたかった。塩がなかった。山には、食べれるものがたくさんあるらしい。海にも、食べれるものがたくさんあるらしい。

誕生日

うっかり自分の誕生日を忘れていました。そういえば昨日でした。一人分のケーキを買って一人で自分の誕生日を祝うといったヘタレ儀式は大好きですので、それをする機会を逃したことは残念です。誕生日といえば、静岡のある地方ではその日、富士山の方角に向…

ウエダハジメ

ふとした瞬間に相手が見せる無防備な姿にキュンとなってしまうのは恋愛マンガの常套手段ですが、助手席で靴を脱いで靴下の足をトラックのボンネットに乗せる26歳男性(妻帯者)には不覚にも萌えてしまいました。それはさておき。 先日のエイプリルフールに…

ゲーム

さて先日発売されましたカプコンのアクションゲーム、「ナウシカVSトトロDX」通称ナウトトDXのプレミアムボックスについているフィギュアには、シークレットとして50箱に一個の割合で「クロトワとカンタ」バージョンがあることは皆様もご存知かと思…

ぶらぶらといきなりになるたまたまに苺を買う買った苺苺の匂いのする様なモノをかける。少しだけ周波数のずれた音が不愉快な振動を立てるように苺と苺のようなモノはお互いに侵食し合い喰い合う。それを眺めるのが好きだ。

「そうなんだ。僕は金属が好きなんだ。」 と、彼は言った。四月のある晴れた日の午後のことだった。長引いたシベリア寒気団の逗留で開花予想が遅れに遅れた桜が、ここ2、3日の気温の急上昇で一斉に花開いた。 私は彼の前に座って話を聞いている。ブルーシー…

金属

乙女の柔肌の様に金属を扱う気にはなりません。金属に対して僕は思い入れがあるのです。金属はもっと強いものでなければならないのです。強くなれ、金属。金属というのはそもそも金属結合で原子同士がくっ付き合っているものでありましょうが、金属結合とい…

「でも、チョコレートは魚の一種じゃない?」「・・・意味が分からんのだけど。それがどうしてテロリズムの肯定に繋がるのかとか、それにあたりまえのように「じゃない?」とか言ってるけどそもそもチョコレートは魚の一種じゃないし。・・・チョコレートって…

王様

大科学者のチェスタトン・ビーヴァーがある春の日に訪れたのは、とある小さな谷だった。そこでは王様が一人で火を起こしていた。「客人にはこれを出すことになっている。」 王様はブリキのコップに煮出したコーヒーを入れた。表面に油が浮いているのは、王様…

武者

久しぶりに本を消化しました。武者小路実篤の、「一人の男」を読み終わります。「何だこの全力のグダグダ感は!?」と驚愕しがちな彼の文章ですが、衒いなく言いたい様に言ってるその感じは嫌いではないです。「構成? 何それ」ってあたりも。自伝的小説なんです…

バランス

バランスなどとうに失しています。面白さが足りません。

エチゼン

エチゼンクラゲアセチレンの匂いいろ。足に街灯地に鯊桜月に梅山の端からタングステンの海モリブデンの空キセノンの淡いやさしさクロムの怒りわきでて覆い尽くす。クラゲはただ見ている。エチゼンは愛の言葉。

ハロー

カッター。浅い刃。猫蚤。 真面目になってしまうときは調子の良くないときです。あなたにも経験があるでしょう? 柄にもなく自分の変態性への不安なども語ってしまうのです。脳髄の奥の、子供の貪欲な欲望を垣間見て恐れおののくのです。あなたを食べたい。 …

HAL

いろんな色たちがチカチカ瞬き始めたら、もうそろそろ終わりが近いのです。世界が綺麗に見え始めてしまうのです。 トイレットペーパーが水に溶けていくのを見るのが好きなので、私はときどきそれをする。ビーカーに水をはって、二枚重ねのソフトロールを一枚…