「そんなによさげだったのかなあ。」 と、コノリさんは思うわけです。そんなによさげだったのかなあ、と。この本に書かれている程に、あの頃の私達二人の生きていた姿って。
傲慢なほどにジェットの香りをさせていたのは、カウンターの隅にひっそりと座っていたはずのポールだった。
午後から来る予定だった大叔母が、「捕まえに行くのよ。」とだけ電話の先で理由を言って、インドに行ってしまった。叔母の61回目の誕生日を祝う席を準備していた私達は、急に出来た空白の午後に戸惑った。「どうしようか、これ。盛り付ける?」「盛り付け…
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