ウソ日記

ない。ある。

 どこまでも歩いていけるような気がしたんだけれど、気が付けばまたこの丘に戻っていた。コインを昔、一枚埋めた。
 丘のてっぺんには小さな塚が出来ていた。誰が作ったんだろう、そう思った。平らな石を屋根のように上手く使って、ちょっとものを奉れるようになっている。タバコが一箱置いてあった。それと写真。どこかの海の風景だ。浜辺で、人がもう住んでないような感じのコテージがある。人は写っていない。これを供えたのは女の人じゃないかと、唐突にそう思った。