ウソ日記

ない。ある。

小部屋

 偉いなあ、と人を思いたい。最低そうしたい。

 夏の炬燵はどうしたって寂しげだ。夏ミカンを転がす訳にも行かない。転がす場所が無いからだ。台の上から床の上からゴミで埋もれている。乾いたアイスのカップ、割り箸が入ったままのカップ麺のカップ、本だったもの、手紙だったもの、大量の新聞紙、それにも増して大量の広告。墨汁。枯れたスミレソウ。遠い国の絵葉書。押し花。PS2。39℃の大気の温度に溶けていく。そこに腐った僕の体がある。おかしな液体が流れ出ている。無菌の都会では虫はいないのだけれど。

 それについて皆に精一杯考えて欲しいだけなんだ、という叫びを聞いて、ああ、愛だなあ、と思ったのさ。