ウソ日記

ない。ある。

ダベンズドライバー

「ともー、目玉が、目玉が痛いよー」
「エンリコ・フェルミ賞を受賞したみたいよ」
「くあー!」
「カラス?」
「涙で前が見えない」
「あぶないなあ」
「誰がって?」
「新田さん」
「にったのりのりか」
「のりのり」
「メイドインヘブンの能力強すぎない?」
「あんなもんでしょ」
「違った違ったヘブンズドアー」
「あんなもんじゃない? あ、前赤」
「赤はGO!」
「止まれー」
「うそぴょん」
「今行く気だった。絶対行く気だったね」
「まさかともじゃあるまいし」
「私はもっと前でブレーキ踏む」
「ははーん私の美貌に嫉妬?」
「お前の脳みそに乾杯」
「嫉妬カコワルイ」
「青なった」
「それが?」
「行けよ」
「がってん」
「うらの車にめーわくだなあ」
「のりのりなんか言ってた?」
「んー、まだ直接は聞いてない。ツィーランメールで回ってきた」
「ロスアラモスの?」
「うん」
「お祝いしないとねー」
「ケーキでも買ってく?今日いるかな。忙しいかもね。取材とか?」
「うおーテレビ来るかな。テレビ出てー」
「どんだけ小学生なんだ」
「それでさ、いやー新田君ならやってくれると思ってましたよってコメントするの。私が」
「何でお前の方が立場上なんだよ」
「のりのりって何やってたっけ?」
「なにもくそも。あんた新田さんのチームじゃん。」
「いあやーなんかこっち飛んでくるのとはなんか別んこと抱えてたみたいなんだよねー。そもそもうちから出した論文の中身程度じゃ取れないっしょあの賞」
「そうなの? 反響なかったけ?」
「こっそり論文出してるかと思って検索したけど、引っかからないの。聞いてもはぐらかされるしさー」
「こっそり出してたら賞の人にも引っかからないでしょうが」
「いや私たちにこっそりってことで。なるほど偽名か」
「偽名で出して何の得があるっての」
「国家公安の監視を回避する?」
マッドサイエンティスト願望ってやっかいな。どんな論文だそれ」
「2012年・・・、世界は、滅ばない!」
「いいことじゃん」