ウソ日記

ない。ある。

スキッパー

 味醂の足を揚げて食う。日本古来より伝わるお正月の伝統料理である。ガステーブルで中華風な彩り料理を回転させて、一品一品の健康をうまく輝きに乗せるのだ。聞けよ国民、君が思うほどにはブルーの魂がこもるのだ。都会ではひまわりがクルクルクル、時を数えてはクルクルクル。前後不覚になったなら、後は野となれ山となれ。振動しきる、心臓の仕上げを、ぷるっとした唇の、プラクティスに乗せて。
 症状の置き資源にマスターが合わせる、口癖は「恋」。「へいマスター、コーヒーひとつ。」「恋。」そんな風にして、僕の時間は過ぎ行く。お父さんの足音。お父さんの肩車。大車輪にかけっこして、キヨスクに浮いては肌を見る。広告の水泳の女の子が、塩素の海に溺れる。駄科行きの電車の暑い日陰の水路を、鮠やモロコがちろちろとスキップする。きっと彼らはこの時代にふとこの瞬間だけ現れたスキッパーなのだ。時間時間をスキップして、先を急ぎ行くのだ。