ウソ日記

ない。ある。

うえの方

上を向いて歩こう。」
「OK。」

「下を向いて歩こう。」
「Really?」

 RPGの「ストーリー上不都合な選択肢を選ぶとGOTO設問前の戻る」類のエセ分岐ではありませんが、ある一方の選択肢を選ぼうとしてもやんわりとたしなめられて、もう片方の選択肢しか結局は選べないということは人生ままあります。そのときにあえて不都合側の選択肢を選び続けてみるかそれともあっさりと割り切って流れに乗ってみるか、それは個々人の選択です。というわけで僕は、下を向いて歩き続けてみることにしました。100円が落ちていました。リズミカルなアスファルトの表面粗度にどこから飛んできているのか綿毛が結構絡まっていました。白い綿毛でした。蟻がいました。そのとき僕の目線の上の方では素敵なスペースヒーローたちが無敵な大冒険を繰り広げ、ヒロイックなヒロインたちが切った貼ったの大立ち回りを繰り広げ、互いに素晴らしくドラマチックな人生の経験をしていましたが、すみません、ちょっと見えていませんでした。