ウソ日記

ない。ある。

サボテン

 自分が狂ってるんじゃないかと言うドキドキ感は、割と最高だ。ファミレスで、自分が紙に書き付けていた絵や文が、何かその手のヤツにそっくりだと気がついたときとか。そして、ファミレスで、周りの客を気にせずに紙に何か絵や文字を書き付けている行為が、一般的にどう見られていて自分でもどう見てきたかということに思い当たった時とか。ああもうおめめがグルグルだ。

 私の庭にサボテンが生えているという事は前にも話した。そのサボテンがダッシュしてきて困った。
「えーあのあれだ、何かこういろんな漢字を並べて狂ってしまいたいというのはある。割とあの手の文章好きだしな。もちろん俺が好きだといっているのはツクりのやつで、モノホンは見たことないと言う可能性もある。」
 そんな台詞を吐かれても困る。

 最高だと話したけれど、でも怖さはある。それは多分心地いいものだ。

 サボテンはいい気になりやすい。何しろとげがあるから。とげのおかげだから。そんな言葉を吐くんだ。そういうことを考えていて、洗濯物をとりこむのを忘れた。湿った庭のサボテンはジャングルのようだ。テキサスに帰りたいんじゃないかと思った。