トレインパーシー
トレインパーシー。
「雲の間から見えたよ。」「それはきれいだった?」「きれいだった。」
きいろいひかりが角膜をすり抜けて、脳の奥まで届いた。
何かがかすめた。
石灰岩。幅広い積乱雲に乗っかっている。ところどころ、土ができていて、丈夫な類の多年草や、苔や、ひょろっとした花の茎の長い一年草なんかが生えている。乗っかっても大丈夫だとは思うけど、ダメだったら危ないからおすすめしない。代わりにピーターソンに乗ればいい。大丈夫。彼なら慣れてるし、それに落ちたって怪我をする心配はない。それに彼はウィッグムィッグの兄だ。
「動いて見えるのは何故?」「雲が動いているからだよ。」「雲は動くの?」「動くよ。」
二人の声が何度も聞こえた。