クロマティ

白いホワイトハウスの、黒いブラックホールの、青いブルースカイの、赤いレッドスター。
キューティーズ。
どれが好き？

日曜日の朝やってる新番組の少女戦士モノの、黒い奴が面白くていつも見ている。

「斉藤先生はマチコさんの作品を批評する文章の中で、しきりにクロマティさがない、クロマティさがないとおっしゃられていました。この『クロマティさ』というのは、いったい何だったのだとお思いですか？」
「私が斉藤先生の真意を推し量ることはもちろん僭越なのですが、あえて言わせてもらうとすれば、それは、クロマティ高校らしさ、というものだったんじゃないでしょうか？」
「クロマティ高校らしさ？」
「はい」
「それはどういう意味なのでしょう？」
「クロマティ高校という高校はご存知ですよね？」
「いえ・・・」
「東神奈川のY市・・・」
「横浜市ですね」
「横浜市大場区にある王立高校です」
「王立ですか？」
「公立です」
「公立ですか」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・あ、説明はそれで終わりなんです？」
「・・・私は、クロマティ高校の生徒でした。斉藤先生は私の二学年上で、私が入学した当時クロマティ高校の執行部に所属しておりました」
「そうだったんですか。それは初耳でした。斉藤先生の経歴には確かえーと横浜市立横浜第二高校と記されておりますが」
「クロマティ高校の校則第3項32節にこうあります。『当学校の在校生及び卒業生は、当学校の在校生及び卒業生であることをみだりに吹聴してはならない』斉藤先生はおそらく、経歴にクロマティ高校卒とすることを、みだりに吹聴する行為だと考えたのでしょう」
「マチコさんが経歴を中卒とされているのも、そのためですか？」
「はい」