ウソ日記

ない。ある。

オルニトミムスの住んだ午後

 白い砂原、パラソルの残骸。足跡が海の中へ消えている。スクリーンと黄色い実体、そのなかの一人と話した。僕のことは知らない。彼等は何も見ていない。彼等が壊したもの全てが、僕等の大切なものだったことを。ソーダの発泡とキイチゴの花、アルミサッシとハンブラビ、忘れてしまった大地で白亜期に、ジュラ期に、三畳期に、その思い入れと困惑をとつとつと語ることを。

「僕等は…、そう、僕等は、君達の話を聞いて育った。本で君達のことを読んで、図鑑の君達の絵を見ながら眠りに就いた。分かってはいるんだけれどね、これが勝手な…」
 グルルルル…
「…いや、まだ話の途中なんだけれどね…、目玉をついばむのは止めてくれないか、」
 キシャー、シャー、