ウソ日記

ない。ある。

後ろ暗い

「・・・いとか言っちゃうんだよねえ。」
喜ばしい
つらい
居て欲しい空々しい。

嘯く芽吹く春に来た。
サンカノゴイ見たことない。
歌の詠まれる景色に依って綿毛の代わりに風船を。

「300年前のおじいさんのことなど知らないし、誰がこの碑を立てたとか、文句は誰の句だとかこの書体は何々派の流れを汲んでいるだとか、厭う言葉を呟きだせばきりがないし。そういえばこの前、地方の閉鎖寸前の遊園地に行った。雑草の管理とかしてないのな。セイタカアワダチソウの黄色い花がどのオブジェクトよりも立派で誇らしげで、なんかよかったよ。」

 彼らは樹齢不詳の桜の古木の枝がちょっと折れただけで大騒ぎで、・・・いとうっかり漏らしたら母に鼻で笑われた。びっくりした。顔をしかめられるぐらいだと思っていたのだが。