現状維持
最初っから言い訳だらけの文。
「コンコルドですからどうしてもね。」
「どうせ俺はコンコルドだし。」
「結局のところコンコルドなんだから。」
そんな文。
スタッカートに仕えて髪の毛を切って、そして私は猿を蹴る。頤が外れた猿たちが転げるのが楽しい。そもそも猿の厳格な序列などというものは餌付けされた集団などの富=エサが力のあるものにとって一元的に管理しやすい状況においてのみ発現するのであり、音島での猿同士の関係というのは本当に混沌としている。グレルノ・チェステリ(1988〜2047)によれば、猿のタイプライターがフィネガンズ・ウェイクの全文を打ち出すのに要する時間は従来考えられていたよりおよそ100万桁ばかりも小さいらしい。彼はこれを、「確率論はジョークにやさしい」と表現した。
逃げる星の数よりも多い。捕まえておける星の数は。
猿にとってか。誰が猿だと言う?