故郷に帰るためには緑が三つに赤が一つ要る。緑で大気を操作し赤で実行する。緑は黄色ではない。赤はオレンジではない。それは珠樹から教えてもらったことだった。珠樹はコーラからアルコールを抽出する方法も知っていた。先週の満月の夜、二人でそれを酌み交わしてみた。別れの盃というやつだ。
「昨日はごめん。」
「? ・・・ああ、こっちこそごめん、珠樹。」
「突入は一番最後のところで、一番気を使うんだから。捻りすぎたら駄目だからね?」
「そんなに心配しなくてもいいから。」
「姉ちゃんおっちょこちょいだからなあ。」
「今はもうそうでもない。」
そのあとは二人で寝た。