ウソ日記

ない。ある。

デカと巡査

 夕立が降るような季節になりましたね。

「警部!!・・・デカ!!」
「なんだい? 巡査君?」
「トイレに行きたいのであります!!」
「トイレか・・・。君は、大逆事件のことを覚えているかね?」
「警部!!・・・じゃなくてデカ!! まだ自分の祖母すら生まれていないのであります!!」
「私は覚えているよ・・・。巡査君、私のソウルメイトの石見警視が、昔、幸徳秋水と呼ばれていたのは知っているね。」
「『ムー』でありますか!!!! 警・・・・デカ!!!!」
 デカ、自嘲的に笑う
「そういう名の雑誌があるのは知っているし、揶揄として使われることも知っている。しかし、違うのだよ・・・・。雪が降っているな。」
「デカ!!・・・というか、え−、警部というか・・・、やっぱり目上の人間を「デカ!!」と呼ぶのは気が引けるのでありますが。」
「私が気にしないのだからそれでよくはないかね?」
「よくはないと思うであります。」
「そうか・・・。なら、「国家の犬!!」でどうかね?」
「さらにまずいであります!!警部・・・・(デカの鋭い目)えー、国家のイ・・・・ヌ?」
「フッ・・・、私はそう呼ばれるのが似つかわしい、そんな人間さ・・・。なあ、巡査君。」
 巡査、尿意を我慢する素振り。