ウソ日記

ない。ある。

寿司

「さすがにそれはないな。」
「そうかな。」
「プラスチックのパックに入ったままの4個298円のコハダの寿司に添えつけの醤油をかけ、まるでそれをフレンチフライか何かの様にぱくつきながら小雨の降る下北沢を散策するというのはありえないな。」
「いやいや、江戸では寿司は庶民のファーストフードですよ?」
「ほら、向かいのお姉さんがお前を不審そうにじっと見てる。」
「おいしいですよ?・・・あ、逃げるように去ってった。」
「お前は普通の人に声かけるな。」
「下北沢人ならこれくらいのフリにあっさり返してくれると思ったのに。」
「お前のしてることは別にフリでも何でもないし、返されたらそれはそれでイヤなんだろ?」
「それはまあ。」
「余った醤油をすするのはよしとけよ。身体のために。」
「えー。」