フェタミン

　アンフェタミンというものがあるならフェタミンもあっていいはずで、それは砂糖のことです。現在主に砂糖大根およびさとうきびから精製される砂糖は、古代アンデスにおいては黴の一種を煮詰めることによって作られていました。日本ではニホンアキアカネより精製する手法が現代でも宮城県の奥地に伝わっています。秋、産卵のため高原から低地の水田に降りてくるアキアカネの群れを定置網によって捕らえ、羽だけを水から煮詰めるのです。やや赤味がかかったこの結晶質の砂糖は、三盆糖と呼ばれ、高級茶菓子などに使われます。ほのかに消える淡い甘さが特徴です。