フルーティーさにこだわるのは止してください。
それは日本酒にとって雑味の別称です。
母が携帯に電話を掛けてきたのだが、やけにかわいい声を出すのでまいった。何と言うか、非常にムカつく。いくら姑と二人暮らしで寂しいからって子供によっかかろうとするなと思ってしまう。母の語調として覚えているのは、つい「はい」と答えてしまうような静かな怒気を含んでいるものだ。俺を常識が欠如していると罵った。刷り込みというのは恐ろしいもので、今でも僕は自分のことを常識無しと恐れている。
責任転換？ そうだな。
そのときの情念の矛先が三叉に分かれてなかったら自分は生きてなかったのかもしれないと思う事件があった。
