大変なこと
なんかさ、あるじゃない。大変なこと。こんなところで配管屋なんてしてる場合じゃないのよ。
王様の領地で暴れる竜をやっつけるのは勇者の特権だ。配管工の出番は、お城の老朽化した水道施設の鉛管を取り替えたり、せいぜい詰まった下水を掃除したり。ああ、この世界のトイレは当然水洗だ。そういうものだろ?さて、勇者の話に話を戻すが、
みょうがのふわっとくる香りは、この世界の色彩と似合わないなあ。
この世界って、不思議な言い方をしますのね?
畑が続いている光景はけして平坦ではなく、なだらかな起伏があるのだが、それは人の歩行を妨げるものではない。気分のよい風が通り抜けていく。竜だって、結局簡単に倒される。お祭りがその後あるのも予定済みだ。村のみんなも町のみんなも楽しみにしてる。そうそう、配管屋がその日のために広場に噴水を作っていると言うよ。
だからさ、大変なことあるってば。分らないかなあ。