ウソ日記

ない。ある。

ダメ癒し

「ダメはいいよね。癒しの極致か?」
 とは僕が所属していた漫研の先輩の言葉ですが、極致かどうかというのは置いておくとしても、現在巷にはびこっている「癒し系」と呼ばれる物をジャンル分けすると、「ダメ癒し」と呼ぶのが適当である作品群が存在することに気付きます。一般的には癒し系と認知されてない物も多く含みます。

 「ダメ癒し」の特徴として、
・主人公、およびその回りの主要人物がダメ。
・劇的なドラマがなく、ダメな日常がだらだら続く。
・だからハッピーエンドではない。(そのまま日常が続いたり、さらにダメな方にいくことが暗示される)
・純文、もしくはラブコメ系に多い。(気がする)

 こんなとこです。

 「ダメ癒し」を理解する上で重要なのが、癒される人間が、「あ、俺、こいつらよりマシだ。だから俺OK。」という反応を示すわけではないということです。むしろ、ダメな「俺」がダメな奴らに共感することによって、「俺OK。」に近い感覚を得られるのです。人々の多くが自分の中に「ダメ」感を抱いている昨今、この「ダメ癒し」が癒し界を席巻する日もそう遠くないと言えるでしょう。
 しかし注意して欲しいのは、この「ダメ癒し」は、けして当人のダメ感を消し去る物ではない、ということです。ここでの「俺OK。」はニアリーイコール「ダメOK。」ということなのです。「ダメ癒し」に浸る場合には、ダメがダメを呼ぶ「ダメスパイラル」に陥らないように気をつけましょう。実際いろいろアレでした自分。

 「ダメ癒し」参考文献

・「NHKにようこそ」 滝本竜彦
・「みんなはどぅ?」 G=ヒコロウ
・「ららら科学の子」 矢作俊彦
・「イエスタディを歌って」 冬目景
 あと私小説の類とか。

 あ、忘れてました。
・「ピューと吹く!ジャガー」 うすた京介

 etc