ウソ日記

ない。ある。

テネシー

 大科学者のチェスタトン・ビーヴァーがその地を訪れたのは、ある晴れた夏の日のことだった。着くとまず、彼は現地の人間にこう尋ねた。
「フーバーマンとアメンボ女はどこにいる?」
 現地の人間はこう答えた。
「チャタヌガの角を3べん回ったところさ。」
「できれば案内してくれないか?」
「いいとも。だがその前に一杯やらんかね?」
 現地の人間は酒が強い。ウイスキーを水のように流し込む。5杯目を片付けたところで、彼は、「さあ行こうか」といって立ち上がった。