ウソ日記

ない。ある。

精進祭

古くからある、道を、小さな竹の子が、列を、なして、大社の裏門へと、祭りの後の散らかりものを意に介すようなそぶりも見せずに頭を右へ左へと揺らしながら進んでいく。子供の背丈ほどの高さにぼんぼりがまだ点いていて、電気代はどこに請求されるのか。町内会の雑費に紛れているとも聞く。相続を放棄された草鞋衆の旧宿舎は役場預かりになって久しいが、今日だけはぽつぽつと窓に灯がともる。酒の手配は安田商店で、銘柄は菊水と決まっているが、それはせいぜいここ30年の伝統だ。それ以前のことを知っているものは、いやーいろいろあってねと話を濁す。