どれだけだって

　駄菓子と菓子の間で揺れ動く乙女心というもの。実際なんてことのない挙動に反射して組み手のシミュレーションを走らせる。男の子と女の子の故意。例のアブダクション番組、怖かったね。うちの町内でもあった。ああいうの。アブダクション。あぶくのように、ふわふわと歩くのは前を見ないで、空気の中のわたあめのようなものばかり見ているから、赤信号に気づかないで、事故は起こさなかったけど、ききーって白の軽自動車が止まって、運転していたおじさんがうろんげな顔をして僕を見た。僕はおぼつかなく笑ってたような気がする。パラパラ漫画にするためＤ氏は１万２０００枚のレントゲン写真を撮り慢性気管支炎になったそうだ。行動を起こすな。機関車に乗るな。モザイクの赤文字が留守番電話を規制する。でもでも、だってだって、機関車に乗らなきゃ車掌さんにはなれなくない？
　機関車と汽車の間で揺れ動く男心というもの、どれだけ食べてもなくならない２年生のときの給食のようなもの。