ウソ日記

ない。ある。

フェルディナンドの豆腐

 フェルディナンドのために豆腐を作った、間違えた、豆腐の料理を作った。豆乳を煮詰めてにがりを加えて、とやったわけじゃない。そこまではしない。最近言葉を省く癖が出てきて困る。しばらく落ち着いてたのだけれど。一時期はひどかった。中学生のころだ。
 重石をして軽く絞った木綿(別に絹ごしでもいいけど。最近はこの処理をすでにすませたようなのも売っている)豆腐を2cm角のサイコロ状に切る。ターメリック、チリ、ガーリックパウダー、岩塩、それにお好みでセサミ、山椒、あるいはヒマワリの種などのナッツ類を砕いたもの、を混ぜ合わせた衣をまぶせ、油でさっと揚げる。オーロラソースだとかの適当なタレを添えてどうぞ、というわけだ。これだけしっかりスパイスを効かせても、豆腐自体のやわらかい風味というのはけしてかき消されることはない。それだけ豆腐は強い。
 そしてついでに、あれがあるといい。あの、あれだ、もやしじゃなくてアルファルファじゃなくて・・・、ああ、カイワレだカイワレ。あれはおいしいんです。