ウソ日記

ない。ある。

ジオン

 カッコイイ言葉を言ってみよう。
「ワレワレワミナ、イットキジオンニクラシタ。」
 もちろんパクリだが。

 実際の地名として何処に住所を持っていたかということとは関係がない。私たちは当時、確かにそこに暮らしていた。ズムシティを修学旅行で観光したし、ミノフスキーがアンマンでノーベル嘗を授与されるのを、当局も混乱していたのかも知れない、軽蔑と誇りのないまぜになった国営放送のニュースで知った。世襲政権というものにミーハーな熱狂と民主主義以後の市民としての僅かな違和を感じつつ、アングラ芝居のダイクンの遺子の奇抜な復讐譚にハラハラドキドキし喝采を送った。ストリップ劇場にはなぜかインド系が多かったし、ハイソサエティにはドイツ系がはばを利かせていた。見上げれば夜空に一面の街の瞬き。開放コロニーではこうはいかない。

 もう一度言う。我々は皆、一時ジオンに暮らした。
 これは、間違いのない、絶対的な、事実だ。
 
 
 
 
 
 「青春☆じおん」いいですよね。