ウソ日記

ない。ある。

嫌さ

 睡眠と覚醒の狭間で聞きつづけていたのは自分のいびきの音で、ひどく醜く聞こえて嫌気がさした。車の窓ガラスに映る対向車や街灯の、走るに連れ動く光点をUFOだと思って眺める遊びをしていたら、いつのまにか本当にUFOだと信じてしまいそうになっている自分がいて恐くなった。夕焼けが止んだ後の西の空に降りて来たのが光る弟の姿だった、という自分の記憶の由来がどうしてもわからなくなった。