ノシオニさん
ノシオニさんの言うように川上から彼等がやってきて、参光寺の目の前で皆息を止めました。彼等鬼たちが腐る臭いは竹林を枯らします。肉から産まれた虫たちを倒すためノシオニさん達が先頭に立って鍬をふるいますが、なかなかすべてを倒しきるのは難しいのです。
僕はそれを見ています。ノシオニさんを最初に見つけたのは僕です。川辺でぐったりしているのを僕が見つけたのです。
ノシオニさん。
まだノシオニさんは記憶を取り戻せません。でも、昔のことを思い出したなら、ノシオニさんはどこかに行ってしまうような気がします。
虫はなかなか治まりません。まだ時間がかかりそうです。うっかりして右手をやられました。皮膚が茶色にただれて動きません。